Juan José Alava (ネレウスリサーチアソシエイト/UBC)が筆頭著者を務めた、エクアドルの小規模漁業と混獲に関連するガバナンスの課題に注目した新しい論文がジャーナルMarine Policyに掲載された。研究のハイライトのいくつかは、混獲は依然としてエクアドルの水域内の鯨類保全の脅威であり、混獲の課題に対処するための現在の政府の活動は不十分であり、鯨類の混獲を緩和するためには漁師のガバナンスを強化することが重要であることを示している。以下、要旨。

要旨

小規模(零細)漁業による海洋生物混獲は、エクアドルの海域におけるザトウクジラやハクジラ亜目を含む数種のクジラ類の人為的死亡理由となっている。エクアドルの海岸沿いでは、非政府組織によりクジラ類の混獲を防ぐための協調的な緩和計画、行動の必要性を指摘する長期的な監視行動など様々な保全努力が行われている。それにも拘らず、政府と地域の関係機関は、東太平洋の小規模漁業における海洋哺乳類と漁業との相互作用に対処するための策を講じていない。この研究では、クジラの混獲に関するエクアドルの現在の状況をレビューし、混獲緩和の課題に取り組むことを目的とした過去および現在のプログラムの長所と短所を探る。

ポリシーの評価を強化するために、鯨類の混獲を緩和するポリシーと統合された漁業コミュニティベースの保全活動を促進するための推奨事項と併せて、混獲問題に対する漁師の認識の統一がはかられる。私たちは、これまでの文献に基づいた評価として緊急性の高まりを示している。漁師の認識と姿勢を考慮して、エクアドルの漁業ガバナンスは、利害関係者が積極的に関与するボトムアップの参加型フレームワークから対策を講じるべきである。トップダウンの規制に基づいている場合、成功する可能性は低い。このプロセスを実行するには、漁業コミュニティに力を与えられるコミュニティベースの保全プログラムが必要である。これは、エクアドルの持続可能な小規模漁業からの経済的利益を最大化しながら、海洋哺乳類を保護するための漁業政策の初期ガバナンスのフレームワークとして機能する。

Reference:

José Alava, J., Tatar, B., José Barragán, M., Castro, C., Rosero, P., Denkinger, J., Jimenéz, P.J., Carvajal, R., and Samaniego, J. (2017). Mitigating cetacean bycatch in coastal Ecuador: Governance challenges for small-scale fisheries. Marine Policy, 110, Marine Policy. link.