Written by Nereus Fellow, Tiff-Annie Kenny

世界における全死亡者の約4分の1(1260万人)が環境リスク要因(例えば、公害、化学暴露、気候変動)に起因している。特に、胎児の発達期と幼児期での暴露は、晩年健康問題を引き起こす可能性がある。

8月26日から30日にかけオタワで開催された、知識の理解と利用可能にするためのビッグデータ、生物的モニタリング、および  「オーミクス」研究にわたる、the Joint Annual Meeting of the International Society of Exposure Science and the International Society for Environmental Epidemiology (ISES-ISEE 2018) では、研究者、政策立案者、公衆衛生従事者が、環境衛生の懸念事項の複雑な問題を評価し対処するための革新的なアプローチを共有した。ネレウスプログラム研究責任者 Dr. Laurie ChanとシニアフェローのTiff-Annie Kennyが出席した。

Dr. Chanは、「カナダの先住民たちの食、栄養、環境衛生」についてのセッションで共同で司会をした。このセッションでは、Dr. Donna Mergler がAsubpeeschoseewagong Netum Anishinabek(Grassy Narrows First Nation)の地元の魚の水銀暴露という永続的遺物についてのプレゼンテーションを行った。そのコミュニティが、何世代にも渡り食糧と生活(ガイドと商業漁業)の主要供給源として利用してきたWabigoon-English水系に、何千トンもの水銀を含む産業排水が投棄された半世紀後の実態である。Dr. Merglerおよびコミュニティリーダーにより発表されたこの研究は、Grassy Narrowsにおける魚の消費習慣と健康や健康増進活動、また個人の結果を結びつける人口に基づく初めての研究である。

この研究はまた、オンタリオ州とカナダの他の先住民族と比較して、Grassy Narrowsの人々の身体的および精神的健康が著しく悪いという証拠を示している。この会議では、化学暴露と魚の消費に関する特別セッションも開催され、 Chicago Asian CommunitiesMichigan Urban Anglersでの水産物消費と水銀暴露に関するプレゼンテーションを取り上げた。これらのセッションを通して、公衆衛生を改善し環境ストレス要因への暴露を緩和するために、知識、介入、および地域と世界の政策を結びつけるための、適用可能で移行可能な、地域密着型の環境衛生研究の重要性を強調した。特に Marcella Thompsonが発表したNamaus (All Things Fish) Projectは、相互尊重、そして科学的知識と伝統的知識の両方を有意義に含めることを踏まえ、Narragansett 族コミュニティ(ロードアイランド、シャーロットタウン)との長期的かつ相互に有益なパートナーシップの成功例を紹介した。

Tiff-Annieは、沿岸の水産物を生活の糧とする人々の間での汚染物質曝露などの国際的研究の提案計画に関する、カナダおよび世界からの専門家との2日間のサイドミーティングに出席した。Exposome(生活習慣要因)研究の理論的枠組みにより(受胎後から、生活経過を通じた人間の環境曝露の全体 )、提案された研究イニシアチブは、気候変動や漁業の影響を非常に受けやすい地域を重視しつつ、水産物の摂取を介して汚染物質、病原体、および毒素への曝露が上昇している地域を特定し、対処する努力をしていく。