Julia Mason(ネレウスフェロー)のPhD論文の一章 ‘Community-level Effects of Spatial Management in the California Drift Gillnet Fishery‘が、Fisheries Researchに掲載された。記事の要約は以下。
漁業努力を再分配することにより、ある特定の種を保護する漁業管理介入は、その他の種に予期せぬ結果を招く可能性がある。カリフォルニアでのカジキやサメを対象とした流し刺網漁業において、2001年、絶滅危惧種であるオサガメを保全するため、大きな空間封鎖が実施され、南カリフォルニア湾での漁業を制限した。オサガメの混獲は減少してきているものの、他種への影響は包括的に調査されていない。そこで、この閉鎖によって地域の漁獲構成に及ぼされる影響を調査すると、他の保全種が恩恵を受ける一方で、主要な対象種の努力量あたりの漁獲量が長期的に増加したか、大きく影響しなかったことがわかった。しかし、時系列での分析によると、封鎖が実施される以前の少なくとも5年間に、20種に及ぶ漁獲量の傾向に変化が起こり始めたことが明らかになり、以前の規制措置や他の要因もこの傾向の一因となっていることが示唆されている。これらの結果から、管理結果を評価する際に歴史的背景を含む包括的アプローチが重要であることが明らかになる。