Marjo Vierros (ネレウスリサーチアソシエイト/UBC) が筆頭著者を務め、Guillermo Ortuño Crespo (Duke University)、Daniel Dunn (University of Queensland)、Yoshi Ota (ネレウスディレクター/University of Washington)、 Andrés Cisneros-Montemayor (副ディレクター/UBC) を含む研究チームは新しい論文をMarine Policyに掲載した。論文では、国の管轄権外の地域(ABNJ)に関する、国連(UN)のガバナンス条約交渉において、これまで参加してこなかった先住民族とローカルコミュニティ((IPLCs)を巻き込むことの重要性を議論する。彼らは、今後の国連ガバナンス交渉にIPLCsを含める必要があると3つの理由で主張している。これらのコミュニティは、すでに多くの商業的、文化的に重要である移動性の種とその生息地を管理していること、伝統的な資源に対する先住民の権利は国連先住民族の権利に関する宣言(UNDRIP)で認められていること、さらに、IPLCの知識と実践は、海洋生物種と生息地の適切な保護、そして持続可能な利用のための情報をもたらしてくれること。著者は、これらが極めて重要であると論じている。

筆者らは、IPLCsがどのようにグローバルオーシャンコモンズと関連しているのか、そして決定が彼らの文化、生活、生活手段にどのくらい影響を与えるのかを示す4つのケーススタディに焦点を当てる。著者らは、オサガメと他のウミガメ、またそれらが太平洋全体のコミュニティや島々にとっていかに重要か、太平洋サケとブリティッシュコロンビアの先住民にとってのその重要性、ネイティブハワイアンにとってのクロアシアホウドリとレイサンアルバトロス、北米太平洋沿岸のコミュニティにとってのオットセイについて調査する。結論として、著者らは、海洋に頼るすべての人々を含むフレームワークを求め、国の管轄権を超えた生物多様性(BBNJ)に関する将来の国連条約にIPLCsが確実かつ有意義に参加することによって、彼らが地球規模の海洋ガバナンスに大きく貢献することを認識するよう代表団に要請している。

 

Vierros, M.K, Harrison, A.L., Sloat, M.R., Ortuño Crespo, G., Moore, J.W., Dunn, D.C., Ota, Y., Cisneros-Montemayor, A., Shillinger, G.L., Watson, T.K., & Govan, H. (2020). Considering Indigenous Peoples and local communities in governance of the global ocean commons. Marine Policy, 119: 104039. link.