Written By Nereus Fellow Guillermo Ortuño Crespo
我々の惑星の46%を占める公海の生物多様性に関する交渉が始まった。第二次世界大戦の余波以来、国の管轄を超えた生物多様性(BBNJ)への人為的圧力の分布は広がり、強度もほぼ継続的に増している。公海のさらなる保全の必要性について、およそ20年以上の討論が行われた末、いよいよ国際社会が結集した。国連総会(UNGA) 決議 69/292は、 BBNJの保全と持続可能な利用ついての国際的な法的拘束力を持つ文書(ILBI)作成に向け、提言を行うことを任務とする2年(2015-2017)の準備委員会を創設した。この2年の一連の動きは、一般市民に公開された。ネレウスプログラム研究ネットワークのメンバーは、データ・レポジトリに関する課題、テクノロジー・トランスファー、遠洋漁業分野の影響、または気候変動など(詳細はこちら)、BBNJプロセスに関連する実行可能な知見の構築と普及に深く関わってきた。準備委員会は、UNGAの一連の技術提言に合意できた。国連海洋法条約に基づく新しいILBIの開発のための政府間会議の召喚を求める決議72/249を通過するまで進んだ。
少なくとも4回開かれる政府間会議の第1回が、ニューヨーク市の国連本部で開催された。この交渉では、意義や緊急性、責任と希望が際立った。準備委員会のプロセスのように、一般市民のメンバーが審議に招待され、同様にネレウスプログラムから多くの研究者が会話に積極的に参加した。準備委員会の会議でネレウスプログラムは、情報提供サイドイベントと政策の概要、この二つに貢献した。第1回政府間会議も例外ではなかった。
ネレウスプログラムが開催したサイドイベントは、国連での交渉初日に開催され、公海の分類学的多様性、国境を越えた生態系の接続性、交渉における漁業の統合、これらのトピックに焦点を当てた。このサイドイベントは、「満員」となった。2人のシニア研究員がこのセッションの司会を務め、フェローとリサーチアソシエイトGuillermo Ortunno Crespo (Duke University)、 Marjo Vierros (Coastal Policy and Humanities Research)、 Mathieu Colter (Bloom)の3人が10分間話をした。このセッションによって、ネレウスプログラムが過去2年半の間にBBNJプロセスに貢献した一連の政策概要
について代表団や他の参加者に知らせることができた。(ネレウスレウス政策概要、デューク大学政策概要)公海における分類学的多様性に関して、現在私たちが持つ知見の限界について述べた新しい政策概要がこのセッション内で発表された。
サイドイベント中に発表されたこの研究は、公海生物多様性の既存の知識のギャップ、また海洋漁業がいかに激しい議論の場となっているか、そしてどんな状況なのか、国連代表団間における現在の議論に踏み込んだ。 Guillermoは、講演を通して、サイドイベントの出席者60人に政策概要を紹介し、公海漁業モニタリングにおける現在のモニタリングのギャップを議論した。Marjoは、移動性動物種を通じて、公海と沿岸域に住む先住民コミュニティ間の生態学的繋がりについての研究を発表した。公海は、世界中の何百もの沿岸地域社会にとって特別な、社会的、文化的および経済的重要性を有することが知られている。最後のMathieuの発表では、地域漁業管理機関の法的地位と責任の概要を示し、公海の海洋生物多様性の保全に関してこれらの機関が果たすべき役割について議論した。
交渉が展開する限り、ネレウスプログラムは、このプロセスに関わり続ける予定である。一番利用しやすい科学が常にそこにあるべきであり、ネレウスの研究者たちはそのように利用できる情報を提供する独自の位置に立っている。