ネレウスの書籍「未来の海を予測する:地球環境変動下での海洋と人間の持続可能性」がElsevierから出版された。こちらより入手可能。William Cheung(ネレウスディレクター・科学/UBC)、Yoshitaka Ota(ネレウスディレクター・政策/ワシントン大学)、Andrés Cisneros-Montemayor(プログラムマネージャー/リサーチアソシエイト/UBC)が編集し、現在のネレウスプログラムリサーチフェロー、アソシエイト、そしてアルムナイ、主任研究者が寄稿している。この書籍には、自然科学と社会科学両方の視点が含まれており、「生態学的条件、社会経済的意味の中での変化を示すために」統合されている。
以下の重要なポイントが含まれる。
- 海の未来の状態に関する知識の構成
- 今後の対策に関する推奨事項
- 健全性、公平性、権利など、海洋システムに関連する重要な社会的側面
各章ごとに寄稿者がそれぞれの視点を示し、それがセクション全体に統合されていく。取り上げるトピックは、海洋生態系と生物多様性、気候変動下の海洋条件の変化、漁業管理、水産物の供給、シーフードサプライチェーンに関連する人権、海洋ガバナンスにおける先住民の役割、海洋汚染、ブルーエコノミーなど。
この書籍の読者層は、「海洋生態学とガバナンス、資源管理、気候変動、海洋関連分野」に関心のある科学者である一方で、政策立案者、政治家、NGOプログラム、および海洋保全組織に関係する人々に役立つことを願い出版した。
上記の説明は、 Elsevierの概要ページからの抜粋
以下、49章の目次(仮訳)
| セクション1. 未来の海を予測する | |
| 1 | 持続可能性を達成するため、海洋を人間と自然が連動するシステムとして再考する |
| セクション2.変化する海洋システム | |
| 2 | 変化する海洋システム:理解から予測まで |
| 3 | 複雑な社会—生態学的システムにおける生態系構築のきっかけ |
| 4 | 変化する海の季節性:過去、現在、そして未来 |
| 5 | 海洋での異常気象 |
| 6 | 変化する海洋におけるメチル水銀蓄積の経路 |
| 7 | 未来の海洋のキャパシティを予測する際の確実性の構築 |
| セクション3.変化する海洋の生態系と生物多様性 | |
| 8 | 海洋の生物多様性と生態系の気候変動の暗い影 |
| 9 | 気候変動の下での海洋開発グループの現在及び未来の生物地理学 |
| 10 | 変化する世界で生産活動を人口持続に繋げて考える |
| 11 | 国際的漁獲の提供者としての我々の周囲の海洋、及びネレウスプログラムと市民社会への関連する海洋の生物多様性データ |
| 12 | 変化する海洋生体系におけるバイオマスの流れ:過去から未来へ |
| 13 | 気候変動下における種の分布の推移に起こる循環的変動の役割 |
| 14 | 変化する海洋に生息するクラゲ |
| 15 | 海洋漁業における変動性を理解する:環境保護に関する強制力の重要性 |
| 16 | 海洋漁業の生活史、および将来の海洋への意味合い |
| セクション4.変化する漁業と水産物の供給 | |
| 17 | 変化する海洋における漁業と水産物 |
| 18 | 気候変動の下での21世紀の漁業経済及び漁獲努力 |
| 19 | 漁業管理のために環境情報を評価モデルに組み込む |
| 20 | 気候変動への適応と空間的漁業の管理 |
| 21 | 太平洋諸島での観光客の水産物消費と気候変動 |
| 22 | 海洋養殖:気候変動下の認識と予測 |
| 23 | 将来の国際的な水産市場 |
| 24 | 気候変動、汚染物質、食糧安全保障を促進するための地域との協力 |
| セクション5. 変化する海洋社会 | |
| 25 | 変化する海洋の社会 |
| 26 | 小規模な漁業社会に与える環境変化の影響: 適応能力から社会的責任まで |
| 27 | マングローブと漁業社会の将来 |
| 28 | 適応する海洋政策—漁師の視点と価値の融合 |
| 29 | 気候変動下での太平洋諸島の海洋政策に関する伝統的知識の役割 |
| 30 | 国際的海洋ガバナンスにおける沿岸の先住民族 |
| 31 | 人権と社会責任を考慮した水産経済 |
| 32 | 国際水産物産業における企業の社会責任:可能性と限界 |
| セクション6.変化する海洋におけるガバナンスとウェルビーイング | |
| 33 | 変化する海洋ガバナンスの持続可能性への見通し |
| 34 | 気候変動の脆弱性および海洋ガバナンス |
| 35 | 最後の共有地:海洋の未来を(再)構築する |
| 36 | 新たなアクター、可能性、そして課題- 国際的海洋管理への非国家的な管理者 |
| 37 | 国際的な漁業における対立の既知と未知の探求 |
| 38 | ブルーエコノミー:公平、持続可能、実行可能な発展 |
| 39 | 我々が望む海洋を実現できるのか |
| セクション7. 国境を超えた海洋ガバナンス | |
| 40 | 国境を超えた海洋ガバナンス:近年の傾向、そして現在直面する課題 |
| 41 | 公海と海洋生物多様性ガバナンス |
| 42 | 効果的な国際的海洋管理 |
| 43 | 規制遵守と国際漁業法 |
| 44 | 補助金、規制、小規模漁業への影響 |
| 45 | マグロにまつわる問題:不確かな将来における国際漁業の科学と政策 |
| 46 | 公海の漁業管理に向けた生態系に基づくアプローチ実行までの道のり |
| 47 | 気候変動下での海洋汚染:海洋保全の解決策 |
| 48 | 予測を超えて- サイエンスフィクションを試作するようなアプローチ |
| セクション8.未来の方向性 | |
| 49 | 結論:海と社会の持続可能で公平な関係性 |





