ネレスプログラムのVicky Lam、William Cheung、 Andrés Cisneros-Montemayor、Oai Li Chen(UBC)は、Science Advancesに掲載された論文 ‘Benefits of the Paris Agreement to ocean life, economies, and people(パリ協定が海洋の生活、経済、そこで暮らす人々へもたらす利益)’を Rashid Sumailaと共著した。気候海洋生態系および経済モデルを使用し、著者らは国連気候変動枠組条約に基づくパリ協定の履行により、世界的に最も収入を生み出している魚種、漁師の収入への影響、水産労働者の収入や家庭での水産物支出をいかに保護できるのかを調査した。パリ協定の下で保護される最も収入を生み出す魚種の結果を全世界の漁獲量(1億3000万トン)に拡大することで、年間950万トンを確保し、漁師の収入は年間131億ドル、水産労働者の収入は年間106億ドル増加し、家庭用水産物支出は年間183億ドル減少することが予想される。

海洋国の75%以上がパリ協定の保全により恩恵を受け、また、著者らは、これらの保全される漁獲量の90%以上が開発途上国の領海内におけるものだろうとし、さらにこれらの結果の重要性が高まる。他の動物性タンパク質(淡水魚、水産養殖、陸生動物など)が脅威にさらされている気候変動下では、パリ協定の保全により、世界中のより多くの人々のタンパク質源が保護されることになる。(例:小島嶼開発途上国で消費される動物性タンパク質の50%以上は水産物から摂取。)海洋漁業産業は、世界で2億6000万人のフルタイムおよびパートタイムの雇用を生み出しており、著者らは「将来、世界中で健全で平和な社会を支えるために生まれる課題に対処するのに役立つ一方で、既存の気候変動の影響に適応し、協定を履行することが世界の海洋漁業の未来のために重要である。」と結論付けている。

The above summary was adapted from the reference below:

Sumaila, U.R., Tai, T.C., Lam, V.W., Cheung, W.W., Bailey, M., Cisneros-Montemayor, A.M., Chen, O.L. and Gulati, S.S., 2019. Benefits of the Paris Agreement to ocean life, economies, and people. Science advances5(2), p.eaau3855