Andrés Cisneros-Montemayor (ネレウスネットワークディレクター/UBC)が筆頭著者であるメキシコのサメのエコツーリズムに焦点に関する新しい研究が Advances in Marine Biologyに掲載された。著者らは、世界的なエコツーリズムとサメウォッチングの増加が、健康なサメ個体群と海洋生態系を保護、維持する事にどのように関連し何を引き起こすのかについて議論する。メキシコでは、サメの観光地がすでに国のサメ漁業の年間収益の半分以上を生み出しており、地域と国の両方に経済的利益をもたらす可能性があることを示している。著者らは、「人工摂食に関する調整、餌からの感染症、自然捕食の減少、生理学的ストレス、また人間とサメの交流による事故の増加」など、エコツーリズムのマイナス面を指摘する。しかしながら、これらマイナスの影響は、現在エコツーリズムで利用しているサメの個体群についてこれまでのところ十分に研究されていない。この研究は、科学に基づく適応型管理と今後の政策に関して、より適切な情報提供をするために必要であると彼らは主張する。そのため、メキシコの主要なサメウォッチングサイトと、地域と国の経済活動への貢献に焦点を当てている。彼らは、メキシコのエコツーリズムに経済的に重要となるサメの種類(ジンベイザメやホオジロなど)に関する現在の保護の現状や知識レベルに一石を投じ、サメウォッチングに関連するマイナスの影響に歯止めをかけるためには、適切な管理戦略が重要であることを強調している。

 

Reference

Cisneros-Montemayor, A. M., Becerril-García, E. E., Berdeja-Zavala, O., & Ayala-Bocos, A. (2020). Shark ecotourism in Mexico: Scientific research, conservation, and contribution to a Blue Economy. Advances in Marine Biology, 85, 3. link.