Written by Nereus Fellow Tyler Eddy,
Elsevierから発表された科学記事が、ResearchGateの私のプロファイル上から削除されるとのEメールを受け取ったのが始まりである。Elsevierは、年間数十億ドルの利益をあげている世界最大の学術出版会社だ。ResearchGateは、学術論文をアクセス可能にすることを試みている機関であるのだが、著作権侵害でElsevierに訴えられている。個人的なウェブサイトを持たず、テニュアトラックのポジションを得ようとしている契約講師の身には、自身の研究へのアクセスを可能にすることは重要である。これは、高額な購読料を支払ってアクセスしている人達だけでなく、あらゆる人達が研究にアクセスできることを目指すオープンアクセスムーブメントにも共通する。このような観点からオープンアクセスムーブメントへの障壁について考えることで、利益率に左右される学術出版社の動機について、またオープンアクセスムーブメントがどのように出版社の収益に反するのかについて詳しく調べることとなった。Science誌に掲載された‘Plan S: Motivations of for-profit publishers’と題したこの論文では、学術コミュニティは、雑誌がオープンアクセスであるかどうかを検討するだけでなく、研究を発表する場を選択する際に、出版社の利潤動機も考慮するべきだと主張している。
Eddy TD. 2019. Plan S: Motivations of for-profit publishers. Science 363: 462. Link