Lydia Teh (ネレウスリサーチアソシエイト/UBC)、Richard Caddell(カーディフ大学)、 Elena Finkbeiner(コンサベーションインターナショナル)、John Kittinger(アリゾナ州立大学)、Yoshitaka Ota(ネレウスディレクター・政策/ワシントン大学)は、オープンアクセスジャーナルPLoS ONEに ‘The role of human rights in implementing socially responsible seafood(社会的責任のある水産物の実現における人権の役割)’という論文を発表した。著者らは要旨の中で、 漁業やシーフードサプライチェーンにおける人権侵害および社会的虐待(奴隷や人身売買)について議論している。それらは、問題を抱える水産業界や政府からの圧力が不十分なために、依然として続いているのだ。彼らは、シーフードサプライチェーン内の人権に関する文献レビューを行い、社会的責任のある水産物を実現するのに伴う機会や課題を人権や法律、また政策手段の観点から分析する。彼らが認識し、焦点を当てる課題としては、経済、社会、文化 (ESC)の権利侵害、人権の権利を行使するためのメカニズムの欠如、権利を支持し確保するためには資源が不十分であることが挙げられる。著者らは、社会的責任のある水産物の原則が行動に移されるのであれば、明確な法的義務、並びにそれらを実行するための国家資本および政治的意志が要求されると主張している。