Harriet Harden-Davies (ネレウスフェロー/ANCORS/University of Wollongong)は、国家管轄権を超えた生物多様性(BBNJ)の保全と持続可能な利用に関する草案の新しい分析を共同執筆した。2020年3月23日から4月3日までの2週間は、まだ進行中の国際的な法的拘束力のある文書(ILBI)に関する国連での国家間交渉について取り組む予定だったが、延期された。Harrietらは、2019年11月27日に公開された草案の「進捗と競合の主要な分野を強調し、[および]文面を強化できるオプションを特定する」初期分析を実施した。主要なメッセージは以下。研究の詳細はこちら。
著者らの主要メッセージ
- 現在の条約草案が十分に意欲的で、効果的なガバナンスの枠組み構築のために開発されているかどうかはまだ明瞭ではない。重要な規定の多くはまだ括弧内に表記されるに留まり、意欲のレベルは交渉の最終段階で行われる選択次第である。
- 現在の草案は、組織と資金調達メカニズムの確立、コンプライアンスを促進する手順の採用を含み、将来のレジームの機能にとって極めて重要な取り決めを確立する権限をCOPに与える。国際協定で一般的に規定されているこのような手順は、条約の運用化を遅らせる可能性があるため、投票規則によって締約国がコンセンサスを超えられることが重要である。
- 国際協力を強化し、既存の枠組み内で補完的措置を促進することは、条約の成功に不可欠である。これは現在の条約草案に反映されているが、一部の条項は強化される可能性がある。
- 交渉の場での優先事項は、追加のセッションが必要な場合でも、意欲的で堅固な契約の草案を作成することである。
Reference
Cremers, K., Rochette, J., Wright, G., Gjerde, K., Harden-Davies, H. (2020). A preliminary analysis of the draft high seas biodiversity treaty. IDDRI, Study N°01/20