Matilda Petersson(ネレウスフェロー/Stockholm Resilience Centre – SRC)は、Marine Policyに掲載された新しい論文‘Patterns and trends in non-state actor participation in regional fisheries management organizations(地域漁業管理機関における非国家主体の関与パターン及び傾向)’を主任研究員Henrik Österblom (SRC)と共著した。人口生態学的アプローチを用い、再生可能天然資源のグローバルガバナンスにおける業界主体(例:私的利益、営利目的)また、市民社会団体(CSOs)(例:公益関係者、非営利)などの非国家主体(NSAs)の傾向や参加パターンを調査した。
5つのマグロ地域漁業管理機関(RFMOs)の加盟国が、高度回遊性魚類資源およびストラドリング魚類資源の漁業割当を設定する決定力を持つ一方で、参加するNSAが、これらのマグロ魚類資源のグローバルガバナンスの形成への影響力を増している。しかし、NSAの意思決定のプロセスへの影響は、参加者全員に平等ではなく、2004年から2011年の間に5つのマグロ地域漁業管理機関(RFMO)の委員会に参加した500人以上の関係者を実証的に調査して見出したことを著者らは論じている。
調査結果は次の通り。
・多くのNSAが5つのマグロ地域漁業管理機関に参加しているが、NSA参加の増加傾向はない。
・5つのマグロ地域漁業管理機関に参加しているNSAには多様性がない。
・業界の代表の数が市民社会組織(CSO)をはるかに上回っている。業界代表は委員会に頻繁に出席している一方で、CSOの出席は時々に留まる。
・地域漁業管理機関会議への参加は、裕福な国々からのNSAが占めている。
・業界代表者らは加盟国の一部として参加し、CSOが主に観察の役割を持つ。
これらの調査結果は、CSOは主に外部から見ている立場であり、民間企業関係者がマグロ地域漁業管理機関およびグローバルガバナンスにおいて最も影響力のあるNSAであるという傾向を明らかにする。これは、グローバル環境ガバナンスでのアクセス、影響、表現、有効性への影響が考えられる。
The above summary was adapted from the reference below:
Petersson, M.T., Dellmuth, L.M., Merrie, A. and Österblom, H., 2019. Patterns and trends in non-state actor participation in regional fisheries management organizations. Marine Policy, 104, pp.146-156