William Cheung (ネレウスディレクター・科学/UBC)とRashid Sumaila(UBC研究員)の論文「カナダの太平洋の海洋生態系における気候変動の影響:現在の知見」がジャーナルMarine Policyに掲載された。著者らはカナダの太平洋海洋生態系への気候変動による既知の影響や予測される影響を調査するために文献レビューを行った。春と夏の間に、ブリティッシュコロンビア州南部で、海水温が時間とともに上昇していることを発見した。温暖化の傾向は文献の中で確立されていたが、彼らはカナダの太平洋の海洋生態系への影響に寄与しているかもしれない海洋の酸性化や他の気候要因などのトピックに関して大きな知識のギャップを見出した。それにより提起された主な懸念の1つは、パシフィックサーモン、ロックフィッシュ、軟骨魚類、その他クラゲなどの無脊椎動物のような脆弱な種が生態系に生息しながら、生態系の海洋生物多様性と魚種がどのように悪影響を受けるかということである。著者らは、これらの海洋生物種が影響を受けた場合、ガバナンス、米国とカナダの国境を越えた漁獲量の取り決め、およびカナダの先住民の漁業アクセス、公平性、また社会経済的課題に悪影響を及ぼす可能性があると述べている。これらの課題は、ブリティッシュコロンビア州の南部沿岸地域で特に顕著であるが、緯度勾配は深刻な影響を及ぼし、地元の漁獲量の損失の偏りを招くことになる。論文記事、詳細はこちら。
The summary above was adapted from the abstract of reference below:
Talloni-Álvarez, N.E., Sumaila, R., Le Billon, P. & Cheung, W.L. (2019). Climate change impact on Canada’s Pacific marine ecosystem: The current state of knowledge. Marine Policy, 104, 163-176.