Suzanne von der Porte(リサーチアソシエイト)、Yoshi Ota(ネレウスディレクター・政策/ワシントン大学)、Andrés Cisneros-Montemayor(UBC)が共著した論文「海洋保全における先住民復活の役割」がCoastal Managementのオンライン上に掲載された。要旨は以下。
要旨:先住民の環境保全への取り組みは、彼らの文化的アイデンティティや社会的、政治的要素から切り離すことはできない。先住民族の生活様式の再活性化と再建を含む先住民族の復活は、世界中の海洋、および沿岸生態系の管理、修復、保全に関連している。しかし、保全活動に関する国際的な政策議論において、先住民ガバナンスシステムの認識と支援には大きなギャップが残る。このギャップに取り組む方法として、UNDP Equator Prizeを受賞した世界中の沿岸先住民コミュニティ主導の保全イニシアチブの分析を提供する。これは、カナダ、ブリティッシュコロンビア州の先住民が主導した保全に関する最初の調査での枠組みが元となっている。私たちは、海洋資源の保全と管理の両方を促進するコミュニティが実施する、特定の先住民ガバナンス戦略を強調している。私たちが特定した戦略は、先住民族の伝統的な資源管理の実施、伝統的な領土の保護、環境保全における先住民族主導の対策、データ収集とモニタリングなどである。また、コミュニティ内での教育や能力開発への再投資と同様に、先住民ではないサポーターとのネットワーク形成とコラボレーションを確認した。地元の資源と環境問題に関する先住民族のリーダーシップを強化し、世界規模でより広範な保全の取り組みを支援できる事例から引き出された、具体的な政策提案をもって結論とする。
Reference:
(2019) The Role of Indigenous Resurgence in Marine Conservation, Coastal Management, DOI: 10.1080/08920753.2019.1669099