Written by Nereus fellow, Fernando Gonzalez Taboada
And They Still Say Fish are Expensive! (¡Y aún dicen que el pescado es caro!) は、1894年Joaquín Sorollaによって描かれた[1]。この色鮮やかな絵画は、2人の老いた漁師が昔ながらの漁船の船腹で、致命傷を負った若い漁師を介抱する場面を描いている。この肖像画は、スペインの社会的リアリズム運動の最高傑作と考えられる。その題名には、19世紀後半の小さな漁村での日常生活を描いた小説に出てくる対話が隠されている[2]。労働運動の出現と同時期のものであり、産業革命の間に広まる職業不安と低賃金に関心を向けている作品である。しかし、この絵画の特筆すべき側面は、今日においてどれだけそのメッセージが有効であるかということだ。
肖像画をよく見ると、誰でも好奇心を刺激されるだろう。私の場合、外洋での大型海洋研究船に乗船したこと、また沿岸付近でのサンプリングなど、極めて限られてはいるが、海上体験を思い起こした。私が海で過ごした時間は産業革命前の漁業とは異なるが、海で数日間過ごすだけで、船上は安全な仕事環境ではないことを実感した。漁師や海で就労する人々が、自分たちは自然の力のなすがままであると考える所以を理解した。
今日、先進国においても、漁業は未だに疾病率や労働災害のレベルが最も高い職業分野の一つである[3]。これらのリスクは、一般に所得や社会的保護に見合わない[4]。このような状況が、近い将来水産物製品の需要が増加し続けるのとは対照的であり、その一方で人口は増え続け、コミュニティの多くでは、天然魚を主なタンパク質源としている[5]。
人口生態学と環境科学の観点から、海洋状況および魚の個体群の動態の変化における潜在的な関係を調べることで、私は答えを探る[6]。もし、魚資源を豊富にできれば、漁業を規制することはより簡単になり、漁師も持続的な収入を確保できる。それは、リスクの軽減とより良い生活を意味する。
アプローチのほとんどが、魚資源の数や環境状況の変化を長期に渡って観察したものを分析することである。発見した兆候を注意深く評価すると、漁業の崩壊の原因が明らかになる。あるいは、新しい漁業の構築を支援するために、一つの種がそれほど豊富になる要因は何だったのかが明らかになる。しかし、残念ながらこの種のアプローチは実際の管理環境では無視されることが多い[7]。
環境情報と詳細なメカニズムを省いても漁業管理が損なわれないことを説明するのに、主に2つの議論がある。一つは、魚に対する潜在的な環境ストレス要因の影響が、一時的または断続的である可能性があることは広く受け入れられている。長期間持続しないため、特徴付けるのが困難であり、信頼も欠ける。しかし、特に提案された関係をサポートするための基本メカニズムがある場合は、慎重な分析と質の高いデータによって、予測力を持った強固な関係がもたらされることも事実だ[8]。
2つ目は、より実用的で、問題の本質に迫る。海流の変化や漁獲努力の変動など、数多くのプロセスが魚資源量に影響を与えるため、資源量の変化の背景にあるメカニズムを特定することはほぼ不可能である。さらに、異なるプロセスの作用が融和するわけではないが、それらは関わり合い、相互作用する。その結果、一般的な条件の小さな変化に対して予想外に大きな反応が生じる。(例:全体は、部分の総和に勝る)
このような状況下で、過去の変動を将来の魚資源量に関連付けようとする実証的アプローチがより適切になると主張することができる[9]。さらに、それらが生物学的制約およびメカニズムを組み込んだ伝統的なアプローチよりも優れていることが提案されてきた。これまでの解釈は、単一種の動態は予測不可能であるとしている。このため、漁業管理は、単一種ではなく、総魚類バイオマスのような生態系全体の特性に関して考え始めるべきだ。この考え方の背景として、健全な漁業への取り組みが必要となる[10]。
これらの議論と平行して、漁業科学に新しい考え方をもたらす動きがある。このアプローチは、気候変動の影響を予測するために採用されているモデルと同様のモデルに基づいて、海洋条件の予測に活用しているが、代わりに管理の基準に焦点を当てている[11] 。環境予測は、魚資源量と分布の予測を改善する管理者を手助けするために使用される。これらの予測は漁業活動を最適化するために使用できるだろう。
環境予測の使用を支持する動きは着実に増え続けている。肯定的な証言が、海洋生物資源の管理と保護を改善するのに役立つ[12]。Sorollaの絵画の明るさがキャンバスを超えた思考を与えるように、管理の改善につながる力学的モデルに基づく予測は、漁業モデリングのための新しい方法をもたらしてくれるかもしれない。
Fernando González Taboada is a fellow of the Nereus Program at the Atmospheric and Ocean Sciences Program, Princeton University
Footnotes:
[1] The original painting by Sorolla is part of the permanent collection of The Prado Museum in Madrid. There is also a wonderful website with tons of information about Joaquín Sorolla and its paintings (there are more about fish).
[2] The novel «Flor de mayo» by Blasco Ibáñz is also available in English as «The Mayflower».
[3] FAO cites 24000 causalities per year in their 2016 report about The State of World Fisheries and Aquaculture (SOFIA). In a country like USA, fatal occupational accidents are roughly 30 times more likely in the fishing sector (see CDCP 2010).
[4] For instance, FAO and the International Labor Organization also warn about the comparatively large incidence of child labor in fisheries (see FAO & ILO 2013).
[5] See the SOFIA reports cited above.
[6] See for example Taboada and Anadón 2015.
[7] Skern-Mauritzen et al 2015 estimated that only 2% of the fish stocks managed worldwide incorporate ecosystem drivers in their assessments of fisheries status and short term production.
[8] This is at least my lecture of the widely cited review by Myers 1998, which is commonly cited to support the opposite view.
[9] See for instance the commentary by DeAngelis and Yurek 2015.
[10] García et al 2012
[11] The review paper by Tommasi et al 2017 is a very good start for a recent overview of the potential application of seasonal to decadal forecasts in fisheries.
[12] Cvitanovic and Hobday 2018 stress the importance of «bright spots» to identify the factors behind the success of alternative environmental management practices.