Written by Nereus Fellow Julia Mason,

Julia Mason(スタンフォード大学/ネレウスフェロー)は、博士論文 ‘Who knows and who decides? Incorporating diverse perspectives in fisheries management’ の口頭試験に合格した。以下、論文要約。

漁業は、複雑な社会生態システムであり、生態動力学と組み合わせて人的側面を考慮しなければ、効果的に理解し管理することはできない。特に、漁業の知識、認識、価値を中心とする研究は、より正確で完全なる結論を導き、また合法的で正当に保全に介入するために重要である。この論文では、アメリカやペルーでの漁業管理における、複数の利害関係者の見識により提示された課題や機会を探る。はじめに、アメリカの海洋沿岸政策立案者や海洋資源利用者に海洋研究の優先事項について調査し、大まかには合意されているものの、海洋資源利用者から、地元の知識をもっと科学や意思決定に組み込むよう求められている事項を探る。そして、私は、物議を醸している時間・領域の閉鎖は、カリフォルニアのメカジキ漁業で漁獲量と漁業参加の全体的減少に貢献している多くの管理活動の一つであることを明らかする一方で、漁業価値に対処していない保全プロセスの地域規模での生態学的影響を評価する。漁業は、もはや経済的、政治的に成功の見込みは低く、議論の余地はあるものの保全の成功とは裏腹に、社会的、手続き的観点からすると失敗である。ペルーでの同様の漁業において、脆弱なシュモクザメの稚魚を保護するために、私は漁師の知識を取り入れる機会と漁師が政策により参加できる機会を検討する。漁師たちは、生物物理学的統計モデルや種の保全への深い理解とモチベーションに相当する地元の生態学的知識を示してくれた。しかし、彼らは、より参加型のプロセスに対しての重要性や可能性を強調しながらも、季節ごとのシュモクザメ漁禁止における不公正さ訴えた。この論文は、保全科学者や実践者にとって、信頼、聞き取り、協力がいかに重要かという深い理解を引き出した。