Joey Bernhardt (ネレウスプログラム/McGill University) が筆頭著者を務める新しい論文 “The evolution of competitive ability for essential resources必要な資源に対する競争力の進化)“がPhilosophical Transactions Bに掲載された。著者らは、単細胞緑藻(Chlamydomonas reinhardtii)を使用し、「種の競争特性が資源の制限に応じてどの程度進化するのか」という問いに答えることを目的とした。藻類をさまざまな比率の資源(窒素、リン、光など)と塩ストレスにさらし、競争力と形質の進化の違いを測定した。総じて、藻類個体群の競争能力は、特定の資源(リン)に反応して増加し、他の資源(窒素と光)では反応が混合したように見受けられた。重要なことは、この研究が、種が資源をめぐる競争力を高めることができると示すことによって、一般的な仮定である、異なる資源に対する種の競争力の間にトレードオフが存在するという見解に異議を唱えたことである。

Reference

Bernhardt, J.R., Kratina, P., Pereira, A.L., Tamminen, M., Thomas, M.K., & Narwani, A. (2020). The evolution of competitive ability for essential resources. Phil. Trans. R. Soc. B 375: 20190247. link.