筆頭著者のBecca Selden (ウェルズリーカレッジ) と共同著者のMalin Pinsky (ラトガース大学)は、ICES Journal of Marine Science に掲載された新しい研究「バイオマスと分布の変化の相互作用により米国西海岸の港の魚資源の可用性が左右される」を実施した研究グループの一員である。

著者らは、次の5つの商業的ターゲットになる種:ドーバーソール、キチジ、ギンダラ、キンムツ、ペトラーレ・カレイのバイオマスと分布の変化の傾向を分析することで、漁港への資源の可用性による米国西海岸沿いの漁業コミュニティの脆弱性を調査した。ノースウェスト水産科学センター(NOAA)の40年間(1980-2017年)の底魚のデータを使用して、彼らは種の分布を分析し、資源バイオマス(資源の可用性、漁港の測定)を評価し、カリフォルニア海流に沿って運営される底引き網漁船からの陸揚げを計算した。また、底引き網船が移動する距離とそれらの種の資源可用性の推定値に関する情報を組み合わせることにより、これらの種の港固有の可用性の指標を開発した。結果として得られた資源バイオマス評価と分布の変化を組み合わせ、著者らは魚種の明確な軌道と可用性がどうなるかを決定することが可能となる。結果は、種の分布の変化も起こっている海岸沿いの地域では、資源の減少と回復のタイミングと厳しさが不均一に起こることが示された。つまり、小規模な地域規模での資源の可用性は、資源全体の規模に比べて増減する可能性がある。これらの「移動が見られる種」によって左右される脆弱な漁業コミュニティが、準備を万全にするために、地域または世界規模で予測される未来の魚のバイオマスと分布とを組み合わせた漁港中心のアプローチを検討する必要性があるかもしれないと結んだ。

 

The above description was taken from the reference below

Selden, R. L., Thorson, J. T., Samhouri, J. F., Bograd, S. J., Brodie, S., Carroll, G., Haltuch, M. A., Hazen, E. L., Holsman, K. K., Pinsky, M. L.,Tolimieri, N., and Willis-Norton, E. Coupled changes in biomass and distribution drive trends in availability of fish stocks to US WestCoast ports. – ICES Journal of Marine Science, doi:10.1093/icesjms/fsz2