Miranda Jones (ネレウス同窓生/UNEP-WCMC) と William Cheung(ネレウスディレクター・科学)が 共著した論文、“Spatial differentiation of marine eutrophication damage indicators based on species density” がEcological Indicatorsに発表された。この論文は、海洋生態系に影響する富栄養化を査定するための指標の開発と沿岸水域への窒素負荷量に対する生態系の応答標識の導入を調査した。

要約:

海洋富栄養化は、いくらかの影響が予想される沿岸水域への栄養素の充填、一般的に窒素(N)に対し生態系反応を示す。窒素濃度によるプランクトン増殖が頻発すると、有機炭素サイクルを促進し、底生海域での過度の酸素欠乏につながる可能性が出てくる。このような低酸素状態にさらされた生態コミュニティは深刻な影響を及ぼされる可能性がある。利用可能な窒素の関数として、有機材料の生産性、シンク、および好気性呼吸を決定する生物学的プロセスは、窒素の取り込みに対する生態系応答(ER)の指標を導くために、低酸素に対しての底生種の感度と連動する。

種の豊富さの欠損は、ERが海洋富栄養化の生態系損傷(以下meED) 指標にさらにモデル化され、種密度(SD)に基づき新たに提案された、空間明示的な係数を適用することにより、消滅した種の数を統合した絶対時間メートル (species yr)として表現される。meED指標が、66大規模海洋生態系として計算され、北極海中央部では1.6 × 10−12 種kgN−1 、北東アメリカ大陸棚では4.8×10-8種KGN-1に及んだ。空間明示的種密度が、 meEDスコアの環境関連性や他のライフサイクル影響評価(LCIA)指標と海洋富栄養化の影響の調和に貢献している。画期的な特徴は、現在の方法論を改善し、人為的窒素排出の特徴付けのためにLCIAにmeED指標を採用することで、人間活動の持続可能性の評価に寄与することである。

海洋富栄養化の影響経路の略図。種の密度に基づいて海洋富栄養化の損傷指標の空間微分

The meED indicator is calculated for 66 Large Marine Ecosystems and ranges from 1.6 × 10?12 species kgN?1 in the Central Arctic Ocean, to 4.8 × 10?8 species kgN?1 in the Northeast U.S. Continental Shelf. The spatially explicit SDs contribute to the environmental relevance of meED scores and to the harmonisation of marine eutrophication impacts with other ecosystem-damage Life Cycle Impact Assessment (LCIA) indicators. The novel features improve current methodologies and support the adoption of the meED indicator in LCIA for the characterization of anthropogenic-N emissions and thus contributing to the sustainability assessment of human activities.

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