Harriet Harden-Davies (ネレウスリサーチフェロー/ANCORS/University of Wollongong) とMarjo Vierros (リサーチアソシエイト/UBC)は、“Rights of Nature: Perspective for Global Ocean Stewardship.(自然の権利:グローバル海洋スチュワードシップの視点)”を共著し Marine Policyのオープンアクセス論文に掲載した。この論文の中核は「自然の権利」であり、自然や生態系などの特定の構成要素が「固有の権利」を所有しているという見解である。これらの権利は、地球上のすべての生命の相互関連性を反映しており、生態系が「存在し、繁栄し、進化する」権利を認める。

著者らは、自然の権利の4つの特性を説明し、それらを海洋ガバナンスに結び付ける。「権利」自体(例:海洋機能を保存、保全する義務)、「接続性」(例:MPAネットワークへの全体的アプローチ)、「相互関係」(例:国の管轄権(BBNJ)を超えた生物多様性により定義された共有利益)、「代表」(例:BBNJの意思決定における海洋の利益を代表する海洋管理者協議会の設立)。世界中には、自然に対する法的保護がすでに整っている国々もある。自然を公益として認めるボリビア、またエクアドルでは自然を法的に認めており、自然すなわちパチャママは「生命が再生され生み出される場であり、その生存、およびその生命サイクル、構造、機能と創成プロセスの維持と再生を統合的に尊重される権利を有する」ものとする。ニュージーランド、インド、コロンビア、バングラデシュなどの他の国々でも、その性質と生態系について同様の法的権利が認められている。著者らは4つの特性を展開すると同時に、海洋ガバナンスにおける既存の例と規範、および将来のBBNJ合意に向けて待ち受けている課題も挙げている。

 

The above summary was adapted entirely from the reference below

Harden-Davies, H., Humphries, F., Maloney, M., Wright, G., Gjerde, K., & Vierros, M. (2020). Rights of Nature: Perspective for Global Ocean Stewardship. Marine Policy, 0308-597X. link.