Written by Nereus Research Associate Ryan Swanson,

Harriet Harden-Davies(ネレウスリサーチフェロー/ウーロンゴン大学/ANCORS)とRashid Sumail(UBC)が共著した新しい論文が、Aquatic Conservation: Marine and Freshwater Ecosystemsに掲載された。この論文では、海の悪化を食い止めるのに必要とされる8つの緊急で意欲的な対策を確立し、対策を講じず、手立ての遅れによる影響(不可逆的なもの)を警告している。政府と意思決定者に、海がますます酸性化し、成長地域で脱酸素化し、人為的な地球温暖化のために海面が前例のないほどに温暖化するため(筆者らは特に懸念し、最優先事項だとする)、即座に行動を起こすよう促している。これらの悪影響を抑制し、海洋の健全性を回復するために次の手段を提案している:

  1. 最優先事項ー温暖化が海洋変化の主な原因であるため、2100年までに海面温度の上昇を1.5℃までに抑えることで地球温暖化に対処する政策を作成
  2. 強化された包括的な公海条約(締約国会議および科学委員会)を確約
  3. 既存の海洋保護区(MPA)基準(特に完全に保護されたMPA)を施行し、すべての生息地と公海を含むように海洋の30%に拡張、また海洋全域への重大な悪影響を防ぐために効果的な海洋管理を確保
  4. 効果的な管理のために十分な知識と理解を得られるまで、深海採掘を休止
  5. 乱獲、破壊的な漁業、違法・無報告・無規制(IUU)漁業の根絶
  6. 海洋水質汚染の根本的な削減
  7. 海洋管理と保全に資金を調達するメカニズムの提供
  8. 科学的な海洋研究の拡大と海洋データの透明性とアクセシビリティの向上

これらを行い施行するのにおよそ10年あるが、著者らは行動するのは今である、と強調している。これは、パリ気候協定が執行され、国家管轄権を超えた生物多様性保護に関する国連条約(BBNJ)の交渉が完了し、海洋関連の持続可能な開発目標(SDGs)の最終目標に到達する2020年と一致するだろう。彼らはまた、これらの8つの対策を同時に施行することで、「気候変動への回復力を構築し、漁業生産性を維持するのに役立ち、沿岸を保護し(例:ソフトエンジニアリング/生息地に基づいたアプローチによる)、緩和を促進し(例:炭素貯留)、急速な地球規模の変化への改善された適応を可能にするだろう。」と述べている。

上記は、以下の参考文献の要約より 

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Reference:

Laffoley, D., Baxter, J.M., Amon, D.J., Currie, D.E.J., Downs, C.A., Hall-Spencer, J.M., Harden-Davies, H., Page, R., Reid, C.P., Roberts, C.M., Rogers, A., Thiele, T., Sheppard, C.R.C., Sumaila, R.U., & Woodall (2019). Eight urgent, fundamental and simultaneous steps needed to restore ocean health, and the consequences for humanity and the planet of inaction or delay. Aquatic Conserv: Mar Freshw Ecosyst. 2019;1-15. DOI: 10.1002/aqc.3182 link