Thomas Frölicher(ネレウス研究責任者/ネレウス同窓生/ベルン大学)が研究チームと共著した新しい論文「地球温暖化における海洋哺乳類の脆弱性」がネイチャー誌に掲載された。著者らは、温室効果ガス(GHG)の高排出シナリオおよび低排出シナリオの下での地球温暖化によって、世界中のすべての海洋哺乳類がどのような影響を受けるかを分析した。彼らは、北太平洋、グリーンランド海、バレンツ海が、北太平洋セミクジラ、コククジラ、北太平洋トックリクジラ、ゴマフアザラシ、ジュゴンなど、地球温暖化に対して最も脆弱な哺乳類種が生息する地域であることを示している。これらの海洋哺乳類が地球温暖化によって絶滅すると、世界中のユニークな機能的生物多様性と海洋生態系に不釣り合いを及ぼすと指摘する。したがって、彼らは、過剰搾取をされてきた歴史があり、温暖化による脅威にさらされているこれらの最も脆弱な種が生息する海洋地域にこそ、将来の海洋保全努力を集中させるべきだと推奨している。オープンアクセスの記事はこちら

 

Albouy, C., Delattre, V., Donati, G., Frölicher, T. L., Albouy-Boyer, S., Rufino, M., Pellissier, L., Mouillot, D., & Leprieur, F. (2020). Global vulnerability of marine mammals to global warming. Scientific Reports, 10(1), 548.