Ocean Panelは、世界14カ国の支援・協力によって構成された「持続可能な海洋経済」のためのハイレベルパネルである。この首相レベルの国際パネルへの報告書を太田義孝(ネレウスディレクター)が共著した。

ハイレベル・パネル「持続可能な海洋経済」(Ocean Panel) は、効果的な保全、持続可能な生産、そして公平に繁栄する持続可能な海洋経済に弾みをつけることを目的として、世界14カ国の首相レベルが参加・支援するユニークな取り組みである。Ocean Panelは、人類と海洋との結びつきを強くすることで、海洋の健全性と富を橋渡しし、また、多様な利害関係者との協力も可能にしながら、最新の知識を活用することによって、人々と地球の未来をより良く、より耐性のあるものにすることを目指している。本パネルの主な取り組みは、世界のエキスパートによる20以上の海の課題を扱った報告書を元にした今後の国際海洋政策・経済活動への政策的支援である。

今般発表された報告書では、海の社会的公益を重視するという観点から、さまざまな文化的歴史的背景に焦点を当て、人々と海洋との経済的、法的、制度的、社会的関係の多様性を示している。

特に、この報告書では、海洋資源や海域へのアクセスと権利に関わる制度に注目し、海洋資源が個人的な利益のみのために利用されてきたことや先住民族が伝統的に築いてきた理念が打破されてきた歴史を認識し、記述した。またその上で、報告書では、伝統文化に基づいた制度によって、将来的に包括的な海洋ガバナンスを実行するための重要な道筋が示されることを主張している。

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Reference

Allison, E.H., J. Kurien, Y. Ota et al. 2020. The Human Relationship with Our Ocean Planet. Washington, DC: World Resources Institute. https://oceanpanel.org/blue-papers/HumanRelationshipwithOurOceanPlanet

Lead authors

Edward H. Allison, John Kurien and Yoshitaka Ota

Contributing authors

Dedi S. Adhuri, J. Maarten Bavinck, Andrés Cisneros-Montemayor, Michael Fabinyi, Svein Jentoft, Sallie Lau, Tabitha Grace Mallory, Ayodeji Olukoju, Ingrid van Putten, Natasha Stacey, Michelle Voyer and Nireka Weeratunge

 

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