コリーン・ペトリック(プリンストン大学、ネレウスシニアフェロー)は、ジェームズ・ワトソン(元ネレウスフェロー)との共同研究のために10月26日から30日までストックホルム大学のレジリアンスセンターを訪れた。ネレウスプログラムに参画している間に、ワトソン博士は、世界の魚類バイオマス分布のシミュレーションモデルを開発した。このモデルは、高い食生産と生育環境の方に向かって泳いでいく魚の能力が、魚の生物体量の空間分布、特に上位捕食者の分布に劇的に影響を与えていると論証した。

このモデルは成魚をシミュレーションしただけだったので、ワトソンとペトリックは、ストックホルムで、魚卵、稚魚と幼魚のような生育歴段階を含めるためにモデルを再構築し始めた。これらの段階を追加することで、年級サイズ(成魚まで生き残り、漁獲できる魚の数)の変化に影響を及ぼす過程を考察することができるようになった。ペトリックは今後、水温、被食動物、捕食動物における気候変動による変化が、初期発育段階や全世界のバイオマスにどのように影響を与えているかを調査していく予定である。