Dr. Vicky Lam (リサーチアソシエイト)と Muhammed Oyinlola(ネレウスフェロー)は、10月22日から24日にかけて、ローマの食糧農業機関本部(FAO)で開催された世界銀行主催の技術会議に参加した。

4億人以上のアフリカ人にとって、魚は必要な栄養分として重要な食品であり、貧しい沿岸の国々では、大陸の50%以上で、たんぱく質のおよそ22%を魚から摂取している。加えて、約640万人のアフリカ人は、海洋漁業の直接的または間接的な活動で生計を立てている。しかし、この社会経済や人々の栄養源は、気候変動により脅かされている。アフリカの沿岸国の漁業、また人々のより良い暮らしに気候変動がもたらす潜在的な影響を、可能な限り評価することが喫緊の課題である。この会議の目的は、サハラ以南のアフリカで漁業を生計の糧とする人々にとっての海洋漁業の経済的重要性に関する知識の見直しに焦点を当てた世界銀行の報告書について議論することであ

る。そして、気候変動が漁業に及ぼす影響をモデリングを用いて評価し、漁業における気候変動に対するアフリカ諸国の経済リスクと脆弱性を推定する。この会議には、漁業専門家、気候専門家、FAO代表者、地域漁業管理者を含む25人が招待された。次の段階での地域レベル、また国レベルの査定を可能にするために、国を指標とした研究の精緻化の可能性に議論が集中した。最後に、参加者たちは、適切な適応ツールや戦略を選択するためのアプローチを定義しようと試みた。このエクササイズは、世界銀行の研究チームが、この報告書を完成形へと導く手助けとなり、報告書の第1部の結果に基づいた第2部を作成することを目的とした。

報告書第1部の全文は、2018年11月26日から28日にケニアのナイロビで開催されるGlobal Sustainable Blue Economy Conferenceのサイドイベントで発表される予定。