Yoshitaka Ota (ワシントン大学 /ネレウスプログラム・政策)は、6月25日から27日にかけてシドニー、ニューサウスウェールズ大学で開催された環太平洋大学協会(以下APRU )で基調講演を行った。APRUは、国際組織、政府、企業のために助言を与える機関であり、50の環太平洋大学の同盟である。またAPRUは、アジア太平洋地域の高等教育、研究、グローバルリーダーシップを具体化することを専門とする。

太田博士は、海、気候変動、社会的平等の相互関係について基調講演を行い、持続可能な開発のためにはこの相互関係が非常に重要であると強調した。講演の中で、SDG 14(海の豊かさを守ろう)を達成することで、他の持続可能な開発目標の達成を促す可能性があるという概念を紹介した。

コーベネフィットとして、乱獲を止めることで経済効果を上げ、海の酸性化を止めることで世界の飢餓を減らし、海洋汚染を止めることで男女不平等を減らせるだろうということを例にあげた。太田博士は、SDG 14の施行を評価しながら、そこに社会的平等の原則が完全に含まれていないことで起こりうる結果について警告した。海洋保全の取り組みをしながら、人身売買、強制労働、児童労働のような人間の労働力の乱用を禁じることが重要なのである。