Written by Rebecca Selden, Nereus Program Fellow

気候変動が世界の海に及ぼす影響に関する第4回国際シンポジウムは、50カ国からの科学者と自然資源管理者がワシントンD.C.に一堂に会し、気候変動が海洋生態系や漁業にどのように影響しているかを議論した。 その分野の著名人も出席したこのシンポジウムでは、5日間行われたプレゼンテーションのおかげで、気候変動が海洋システムに何を及ぼすのかを理解するまでになった。 しかし、我々が気候に対応した海洋資源管理を達成するまでの道のりはまだ長い。

この目的を達成するために、より良い世界を目指して国連が定義した、17の持続可能な発展目標(SDGs)に関する議論が多かった。 しかし、海洋に関するSDGの重要性は、多くの意思決定者に響いておらず、共感を呼ぶに至らない。「開発途上国の3,500人の指導者を対象に実施された調査では、持続可能な開発目標14である ”海の豊かさを守ろう” は、すべての目標の中で最も重要度が低いものだった。」でと話すのは、タスマニア大学の海洋社会生態学センター長のGretta Peclである。

発展途上国の指導者のわずか5%が、自国の開発のための優先事項として、上位6位に海の目標を掲げた。 気候変動への対策は20%以下でそれほど高くはなかった。グローバルリーダーに持続可能な海洋の重要性を示すためには、さらなる熟慮が必要である。 これらの冷静な統計により、ネレウスプログラムのレポート、特にGerald Singhが行ったコーベネフィットの定量化は重要であることを再認識した。 資源が限られているため、他の開発目標に優先順位を付ける必要があるかもしれない。しかし、我々は、これらの選択がどのように海洋目標を達成する可能性を制限するか、または拡大させるかを示すことができる。

CSIROの研究員であるBeth Fultonは、電気エンジンの同時開発にもかかわらず、最終的には社会が内燃機関の使用に縛られてしまったように、資源管理のために考えられている手段も、過去の管理決定によって、同様に制約が生じる可能性があると主張した。彼女は、持続可能な漁業管理へのより包括的な生態系アプローチを一例として取り上げることが重要であるという理解がなされていることをよそに、随所で耳にする「最大持続可能な収量」に焦点を当てた。

私の研究では、将来の適応戦略をいかに推進していくかを提案するために、漁業コミュニティが過去の気候変動にどのように適応してきたかについて焦点を当てている。特に、魚は暖かい水を避けるために極方向に移動するので、漁師はそれまで対象とした魚を追い続けるより、標的種を切り替える可能性が高いことがわかった。しかし、この戦略でさえ、認可がますます特殊化するにつれて、一層困難になっている。管理の対応は常に遅いスピードで進んでいる。そのため、ネレウスネットワークが提供する漁獲量の変化、魚種の分布の変化、紛争の可能性を統合することによって、近い将来に待ち受ける状況を示すことができるだろう。また、管理対応のプロセスを進めることによって、後手後手にならず、先に回って行動することが可能となる。

科学者がそれを実現するための方法の一つは、政策立案者と直接関わっていくことである。DCという場所を生かし、またキャピトル・ヒル・オーシャンズ・ウィークに偶然出くわしたことにより、私と同僚のMalin Pinskyは、会議の最終日に、我々が最近発表した論文について上院議員と議論する機会を得た。多くの場合、スタッフは、海洋問題に明るい元Knaussフェロー(海洋政策フェローシップ)であった。一方で、財務や教育に関する経歴を持つスタッフと話す時は、より広範にいろんな問題に関連づけ、わかりやすいメッセージに修正する必要があった。

委員会全体を通して、私たちが提起した問題へ高い関心を持ってもらえたことが励みとなった。とりわけホームであるニュージャージー州のコーリー・ブッカーの上院議員のオフィスが、ニュージャージー州の海洋政策が証拠主導であり、先進的であることを確実にするために、私たちと他のラトガース大学の科学者たちとの継続的な協力を表明してくれた。

より多くの了承を取り付けるための二つ目の方法は、メディアと良いつながりを持つことである。会議では、New York Times、the Guardian、National Public Radio、Science Magazine、またOceans Deeplyなどのジャーナリストのパネリストが科学者を質問攻めにする模擬記者会見など、メディアとの科学コミュニケーションに焦点を当てた特別イベントも開催された。この冷や冷やするイベントは夕方にもあり、科学者がサイエンスを2分で紹介するという自由参加のステージが開催された。数日後、この模様が報道された。科学者の内、少なくとも1人の努力は報われただろう。

私はステージ立つことはなかったが、何が有効で、改善すべきことは何かを実際に目にし、それを数ヶ月前に受けた COMPASSトレーニングと組み合わせることによって、今後の自信につながった。今日のニュースと科学に関連性を持たせ、また、気候変動の研究から海の解決策を見いだすことへ移行する中で、キープレーヤーになれるように努力したい。

Edited by Victoria Pinheiro, Nereus Program Strategic Communications Lead

Edited by Victoria Pinheiro, Nereus Program Strategic Communications Lead