Written by Nereus Senior Research Fellow Solène Guggisberg,
Solène Guggisberg (ネレウスシニアリサーチフェロー)は、Transatlantic Maritime Emissions Research Network (TRAMEREN) 会議で「The role of non-governmental actors in fisheries governance – Improving compliance(漁業ガバナンスにおけるNGOの役割ーコンプライアンスの改善)」という題の論文を発表した。Frontiers in Ocean Environmental Governance: Private Actors, Public Goods(海洋環境ガバナンスのフロンティア:民間部門、公共財)についてのTRAMEREN会議がコペンハーゲンで開催された。詳細はこちらへ:TRAMEREN Conference Website
Solèneは、‘Sustainable Fisheries and Marine Resource Use (持続可能な漁業と海洋資源の利用) に注目した第2セッションで論文を発表し、NGOによるコンプライアンス問題の様々な役割について議論した。これらの役割とは、義務を重んじない船舶や国を特定するために、海洋で新しい技術(特にAIS)を用いて証拠を収集することなどである。NGOには、政府当局に調査結果を伝えるパイプ役が存在するが、これらのパイプ役は通常非公式であり、国はNGOへの報告義務がないため責任問題が生じる。
また、NGOは海洋でも活動している。彼らは、国々と協力して沿岸国の排他的経済水域のパトロールのために船舶を提供している。さらに、独自で公海での法執行活動を行っているNGOもあり、これらは通常「直接行動」と呼ばれている。これらの活動により、政府機能を果たすための非政府船舶の資格、権限を与えられた活動の限界、視察中に問題があった場合の国の責任、などに関する質問が提起された。
政策面においては、多くの国々が国際的責任を尊重せず、また公海上の旗国の排他的管轄権の国際的な法制度は、海洋における活動の十分な監視と管理には不十分なため、NGOが関与することは意義がある。しかし、法的側面においては、NGOの関与により、法的に漁業規制のコンプライアンスを改善するための活動、措置を講じる権利、責任によって、現在の国際法における不均衡が明らかになっている。法規範を犯す覚悟で不均衡を修正する必要がある。