Written by Nereus Research Associate Ryan Swanson,

Image courtesy of Whitley Fund for Nature, Blue Ventures
Vatosoa Rakotondrazaf のマダガスカル島における小規模漁業コミュニティの研究が、The Whitley Fund for Nature (WFN)による2019 Whitley Awardを受賞した。Vatosoaは、UBC日本財団 Ocean Affairs and the Law of the Sea (DOALOS)のフェローだった2015年に、太田義孝(ネレウスプログラムディレクター・政策)、William Cheung(ネレウスプログラムディレクター・科学)、Andrés Cisneros-Montemayor(ネレウスマネージャー/リサーチアソシエイト)、他ネレウスフェローと共に研究した。

Image courtesy of Whitley Fund for Nature, Blue Ventures
Vatosoaは、海洋資源の伝統的小規模漁業、持続可能な利用のための地域コミュニティ管理の促進を担うマダガスカルのMIHARI (マダガスカル地域主導型管理海域ネットワーク) を調整している。2012年6月に設立され、MacArthur Foundationの支援を受けるMIHARIは、地域主導型管理海域 (LMMAs)のネットワークで、約50万人の伝統的漁業者がいる国に重要である伝統的な小規模漁業コミュニティと活動する200のコミュニティ協会や NGOs をまとめている。これらのLMMAは、一時的な漁場の閉鎖、恒久的な海洋保護区、特定の漁具の制限、代替生計手段の促進、およびマングローブ林の回復と管理の組み合わせを用いて、マダガスカル全域の海洋保全、及び小規模漁業者のための持続可能な地域漁業慣行を促進する。LMMAの利用は、食料安全保障の改善、貧困との闘い、そして沿岸地域社会が気候変動に適応することを支援する上で、成功が見込める戦略としての可能性を秘めている。
マダガスカルでは、伝統的な漁業コミュニティは、僻地であったり、インフラが整っていなかったり、学校教育が受けられないことがあり、生計や食糧安全保障のために海洋生物多様性や持続可能な慣行によるところが大きい。しかし、小規模漁業者は、正式に主張することもなく、政治的な場で声をあげることもない。Vatosoaは、2017年に、マダガスカルの漁業省に正式な漁業政策提案を提出するなど、マダガスカルでの伝統的漁業者を代表し、その権利のために闘い、海洋資源の持続可能な利用のためにガイドラインや戦略を一緒に作成することに取り組んできた。

Image courtesy of Whitley Fund for Nature
Vatosoaの今後のプロジェクトは以下:
- マダガスカルの3つの新しい沿岸域を含める漁業コミュニティネットワークを拡大する
- 40人のLMMAリーダーのために海洋資源管理、ガバナンスに関する包括的トレーニングを行う
- マダガスカル政府と協力してLMMAの法的地位を確保し、小規模漁業保護区を創設する
- 慣行を継続できるよう海洋保全および再生可能な海洋資源の持続可能な利用について、参加する200のコミュニティ管理協会での知識共有を促進する

Image courtesy of Whitley Fund for Nature
2019 Whitley Awardについてさらに知りたい方はこちらへ。MIHARIネットワークについてはこちら。この要約に使用されている情報は、Whitley Fund for Nature (WFN)および上記のMIHARIリンク参照。
Image of HRH The Princess Royal presenting Vatosoa Rakotondrazafy with the 2019 Whitley Award is courtesy of Whitley Fund for Nature.